日吉杯原稿第二稿

演題『一人多票 ~死票は議員の持ち票を弄ればなくしうる~』

この中に選挙に行ったことあるよ、という方はどのくらいいらっしゃいますか?

結構いらっしゃいますね。ここにいらっしゃる方は問題解決を目指す方ですから、選挙に行くのも当然かもしれません。

(あまりいらっしゃいませんね。ここにいらっしゃる方は問題解決を目指す方でしょうから選挙に行った方がいいと思いますが。)

選挙は問題解決に至る為の殆ど唯一にして最大の方法です。

利己的な主体の活動では解決できない問題を政府が行う。

国民は政府の舵をとる為に選挙に行きます。

選挙に行かなければ問題解決の為のスタート地点にすら立てないのです。

と、言っても選挙に行かない人は行きませんから、行きたくなるような小話を一つ。

選挙に行くと2枚の投票用紙が貰えます。

この紙に候補者の名前を書いて折りたたんで投票箱に入れるのですが、

この紙、投票箱に入れた後、自然と開くようになっています。

投票箱に入れる前に折りたたんだ紙から手を放すと自然と開くのが見れますので是非投票しに行ってみてください。

と、言っても、選挙に行かない理由というのが正にその折りたたんで「投票しても元に戻ってしまうから」なんです。

どういう意味でしょう。

例えば、あなたは選挙に行って、候補者Aに投票しました。

結果候補者Aは当選した。

良かったですね。

では候補者Bに投票していたら?

結果は変わらず、候補者Aの当選でしょう。

選挙に行っても何も変わらないのです。

投票しても、投票してない元の状態に戻ってしまう。

選挙に行く意味がないから行かない。

現状の選挙制度ではどうしてもこの問題は解決できない。

現状の選挙制度では大きく二つの手法を取り入れています。

一つは小選挙区、もう一つは比例代表です。

小選挙区とは、それぞれが大体人数が同じぐらいになるように区切った場所ごとに、1人づつ議員を選ぶやり方です。

この方法は多数派が有利で安定した政治が出来るという長所が挙げられます。

短所として死票が多く出てしまい、民意と反する結果になり得るという短所があります。

死票とはここでは、落選した候補者の得票数と当選した候補者の最低限当選するのに必要な得票数を上回った数を指します。

比例代表とは、所属している党に投票してその得票数が多ければ議席数を多く、少なければ議席数を少なく得るようにするやり方です。

一見”比例”というぐらいですから、民意の比と議席数の比が一致してよさげな気がしますが、問題もあります。

党という単位で投票される比例代表は、必要最低限当選に必要な票を超えると他の党員の当選の為に回されます。

しかし、党は一枚岩ではありません。

異なる考えの党員が同じ党に所属するのは少なくない。

同じ党にいるからといって、異なる考えの人に票が回ってしまう

いずれにしてもこの”投票しても元に戻ってしまう”問題は解決できません。

では、何故この問題が起きているのか。原因は何か。

簡単な原因だったのです。

私達は私達の代表を一人選びその代表が私達の為に議会で1票を投じている。

選挙制度についての議論はこの代表をどのように選んでいくのかについてばかり論じられてきました。

論じられてこなかった、議会で投じられる一票、ここに原因があるのです。

もしこの議会で投じられる一票が、その議員の得票数であれば、死票は、当選した議員に無駄に投じられてきた死票はなくなると言えます。

投じられれば投じられるほどその議員の持ち票に加わるのですから。

一人一票の縛りがなければ票を得る為に沢山の人を用意する必要がなくなります。

支持している議員の代わりを用意する必要はないのです。

そこで解決策を1点提示します。

選挙制度を変えるのです。

当選した議員の議会での持ち票を現在の1票から得票数票に変えます。

大枠は以上です。

100万人がその議員に投票したならば、その議員は100万票を持つ。

各議決に100万票を投じていく。

そのような状態においては追加の1票に意味が出てきます。

勿論1票というのは非常に小さなものです。それだけでは当然社会を変えることは出来ない。

しかしながら、今までは我々の投票権は、議員が決まった時点で死に、それぞれの議決までは届かなかった。

その議決まで生きて届かなかった我々の意志を生きて議会まで届けることは確実に大きな意味を持ちます。

この制度について、議員の視点からも考えていきましょう。

今までは、当選に十分な支持者を持つ議員はこれ以上何もしなかった。

議員生命を守る為には必要なく、無駄だからです。

しかし、この制度のもとでは、そうではない。

さらなる1票が更なる力になるんです。

当選に必要ではなかった少数派の意見を取り入れるインセンティブを持ちます。

議員はより問題解決をしようとするでしょう。

今までは一人を当選させることが出来ない少数派の意見も多数派の議員によって救われうるのです。

勿論この解決策もこれだけでは大きな効果を得ることは出来ません。

そこで2点の修正をします。

1点目は「全国区にする」、2点目は「成り議員代を導入する」。

1点目、全国区にする。

小選挙区というものは何を意味しているのか考える必要があります。

有権者の票を議員の1票に圧縮する為に区切っていました。

しかし、この制度の下では圧縮する必要などなく、むしろ区切った時に発生する1票の格差が生まれてしまう選挙区は廃止すべきであると考えられます。

また、少数派というのは特定の地域に集中しているわけではなく、小選挙区において無視されます。

しかし、これは国の問題です。

国会で論じられるべきでしょう。

また、国会議員が地域の代表をする必要性がありません。

国会議員は勿論支持者層の為に動くべきではありますが、それ以上に国の為に動くべきです。

少なくとも地方VS都会という対立構図のもとでのみ議論されるべきところではありません。

以上の理由から選挙区を残してはこの制度は機能を低下するので、廃止すべきであると考えます。

2点目です。成り議員代を導入する。

議員の持ち票を得票数とするこの政策では、特に議員となる条件は置かれていません。

しかし、議員が無限にいては議論は混乱を招くでしょう。

どこかで線引きはすべきでしょう。

では例えば得票数が1000以下の候補者は議員になれないとしたらどうでしょう。

それでもいいと思います。

悪くはない。

しかし、得票数が1000票と1001票では得票数の差が1票しか変わらないのに1001票も開いてしまいました。

他ではこんな大きな差はありません。

気になるので直してみましょう。

そこで導入するのが成り議員代です。

議員になるときに、得票数から何票かを支払う。

これを成り議員代と呼んでいます。

これで落選者と当選者の差は小さくなりました。

この成り議員代を導入すると更なる利点が生まれます。

議員の数を絞ることが出来ます。

議員を一人出すたびに持ち票が減っていきます。

減るぐらいなら最初から立候補させない。

大体同じ考えならば、代表をまとめてしまえば、無駄に、成り議員代を支払う必要がなくなる。

そうすれば影響力をより大きく出来る。

今までは票の為にいる議員がいました

この議員を減らすことが出来るのです。

多数派の党で起きたことは、少数派の党でも置き得ます。

少数派の主張同士というのは必ずしも矛盾を引き起こすとは限りません。

ある法案に対して主張はしているが、他はどうでもいいと思っている人達はより自分の影響力を大きくするために結託するでしょう。

このような流れによって議員数は絞られるでしょう。

以上の政策により、”投票しても元に戻ってしまう”現状は解決します。

投票した痕跡が残れば、今まで無駄に思えてきた選挙に行く人も出てきましょうし、自分には関係ないと思っていた政治に興味を起こす人も出てきましょう。

政府というのは国民に監視されて初めて機能します。

死票として無視された問題は解決に向かう。

死票がなくなれば国民の意志は反映される。

勿論この制度案にも欠点というのはあります。どのような選挙制度にも何かしらの長所短所というのはあって何を捨てるのか、それを考えていくのは有権者である国民です。

今回、私は新しい選挙制度を共有したにすぎません。

これからです。

これからより良い制度を考えていきましょう。

ご清聴ありがとうございました。

演題『一人多票 ~死票は議員の持ち票を弄ればなくしうる~』

この中に選挙に行ったことあるよ、という方はどのくらいいらっしゃいますか?

結構いらっしゃいますね。ここにいらっしゃる方は問題解決を目指す方ですから、選挙に行くのも当然かもしれません。

(あまりいらっしゃいませんね。ここにいらっしゃる方は問題解決を目指す方でしょうから選挙に行った方がいいと思いますが。)

選挙は問題解決に至る為の殆ど唯一にして最大の方法です。

利己的な主体の活動では解決できない問題を政府が行う。

国民は政府の舵をとる為に選挙に行きます。

選挙に行かなければ問題解決の為のスタート地点にすら立てないのです。

と、言っても選挙に行かない人は行きませんから、行きたくなるような小話を一つ。

選挙に行くと2枚の投票用紙が貰えます。

この紙に候補者の名前を書いて折りたたんで投票箱に入れるのですが、

この紙、投票箱に入れた後、自然と開くようになっています。

投票箱に入れる前に折りたたんだ紙から手を放すと自然と開くのが見れますので是非投票しに行ってみてください。

と、言っても、選挙に行かない理由というのが正にその折りたたんで「投票しても元に戻ってしまうから」なんです。

どういう意味でしょう。

例えば、あなたは選挙に行って、候補者Aに投票しました。

結果候補者Aは当選した。

良かったですね。

では候補者Bに投票していたら?

結果は変わらず、候補者Aの当選でしょう。

選挙に行っても何も変わらないのです。

投票しても、投票してない元の状態に戻ってしまう。

選挙に行く意味がないから行かない。

現状の選挙制度ではどうしてもこの問題は解決できない。

現状の選挙制度では大きく二つの手法を取り入れています。

一つは小選挙区、もう一つは比例代表です。

小選挙区とは、それぞれが大体人数が同じぐらいになるように区切った場所ごとに、1人づつ議員を選ぶやり方です。

この方法は多数派が有利で安定した政治が出来るという長所が挙げられます。

短所として死票が多く出てしまい、民意と反する結果になり得るという短所があります。

死票とはここでは、落選した候補者の得票数と当選した候補者の最低限当選するのに必要な得票数を上回った数を指します。

比例代表とは、所属している党に投票してその得票数が多ければ議席数を多く、少なければ議席数を少なく得るようにするやり方です。

一見”比例”というぐらいですから、民意の比と議席数の比が一致してよさげな気がしますが、問題もあります。

党という単位で投票される比例代表は、必要最低限当選に必要な票を超えると他の党員の当選の為に回されます。

しかし、党は一枚岩ではありません。

異なる考えの党員が同じ党に所属するのは少なくない。

同じ党にいるからといって、異なる考えの人に票が回ってしまう

いずれにしてもこの”投票しても元に戻ってしまう”問題は解決できません。

では、何故この問題が起きているのか。原因は何か。

簡単な原因だったのです。

私達は私達の代表を一人選びその代表が私達の為に議会で1票を投じている。

選挙制度についての議論はこの代表をどのように選んでいくのかについてばかり論じられてきました。

論じられてこなかった、議会で投じられる一票、ここに原因があるのです。

もしこの議会で投じられる一票が、その議員の得票数であれば、死票は、当選した議員に無駄に投じられてきた死票はなくなると言えます。

投じられれば投じられるほどその議員の持ち票に加わるのですから。

一人一票の縛りがなければ票を得る為に沢山の人を用意する必要がなくなります。

支持している議員の代わりを用意する必要はないのです。

そこで解決策を1点提示します。

選挙制度を変えるのです。

当選した議員の議会での持ち票を現在の1票から得票数票に変えます。

大枠は以上です。

100万人がその議員に投票したならば、その議員は100万票を持つ。

各議決に100万票を投じていく。

そのような状態においては追加の1票に意味が出てきます。

勿論1票というのは非常に小さなものです。それだけでは当然社会を変えることは出来ない。

しかしながら、今までは我々の投票権は、議員が決まった時点で死に、それぞれの議決までは届かなかった。

その議決まで生きて届かなかった我々の意志を生きて議会まで届けることは確実に大きな意味を持ちます。

この制度について、議員の視点からも考えていきましょう。

今までは、当選に十分な支持者を持つ議員はこれ以上何もしなかった。

議員生命を守る為には必要なく、無駄だからです。

しかし、この制度のもとでは、そうではない。

さらなる1票が更なる力になるんです。

当選に必要ではなかった少数派の意見を取り入れるインセンティブを持ちます。

議員はより問題解決をしようとするでしょう。

今までは一人を当選させることが出来ない少数派の意見も多数派の議員によって救われうるのです。

勿論この解決策もこれだけでは大きな効果を得ることは出来ません。

そこで2点の修正をします。

1点目は「全国区にする」、2点目は「成り議員代を導入する」。

1点目、全国区にする。

小選挙区というものは何を意味しているのか考える必要があります。

有権者の票を議員の1票に圧縮する為に区切っていました。

しかし、この制度の下では圧縮する必要などなく、むしろ区切った時に発生する1票の格差が生まれてしまう選挙区は廃止すべきであると考えられます。

また、少数派というのは特定の地域に集中しているわけではなく、小選挙区において無視されます。

しかし、これは国の問題です。

国会で論じられるべきでしょう。

また、国会議員が地域の代表をする必要性がありません。

国会議員は勿論支持者層の為に動くべきではありますが、それ以上に国の為に動くべきです。

少なくとも地方VS都会という対立構図のもとでのみ議論されるべきところではありません。

以上の理由から選挙区を残してはこの制度は機能を低下するので、廃止すべきであると考えます。

2点目です。成り議員代を導入する。

議員の持ち票を得票数とするこの政策では、特に議員となる条件は置かれていません。

しかし、議員が無限にいては議論は混乱を招くでしょう。

どこかで線引きはすべきでしょう。

では例えば得票数が1000以下の候補者は議員になれないとしたらどうでしょう。

それでもいいと思います。

悪くはない。

しかし、得票数が1000票と1001票では得票数の差が1票しか変わらないのに1001票も開いてしまいました。

他ではこんな大きな差はありません。

気になるので直してみましょう。

そこで導入するのが成り議員代です。

議員になるときに、得票数から何票かを支払う。

これを成り議員代と呼んでいます。

これで落選者と当選者の差は小さくなりました。

この成り議員代を導入すると更なる利点が生まれます。

議員の数を絞ることが出来ます。

議員を一人出すたびに持ち票が減っていきます。

減るぐらいなら最初から立候補させない。

大体同じ考えならば、代表をまとめてしまえば、無駄に、成り議員代を支払う必要がなくなる。

そうすれば影響力をより大きく出来る。

今までは票の為にいる議員がいました

この議員を減らすことが出来るのです。

多数派の党で起きたことは、少数派の党でも置き得ます。

少数派の主張同士というのは必ずしも矛盾を引き起こすとは限りません。

ある法案に対して主張はしているが、他はどうでもいいと思っている人達はより自分の影響力を大きくするために結託するでしょう。

このような流れによって議員数は絞られるでしょう。

以上の政策により、”投票しても元に戻ってしまう”現状は解決します。

投票した痕跡が残れば、今まで無駄に思えてきた選挙に行く人も出てきましょうし、自分には関係ないと思っていた政治に興味を起こす人も出てきましょう。

政府というのは国民に監視されて初めて機能します。

死票として無視された問題は解決に向かう。

死票がなくなれば国民の意志は反映される。

勿論この制度案にも欠点というのはあります。どのような選挙制度にも何かしらの長所短所というのはあって何を捨てるのか、それを考えていくのは有権者である国民です。

今回、私は新しい選挙制度を共有したにすぎません。

これからです。

これからより良い制度を考えていきましょう。

ご清聴ありがとうございました。