フリーレンアウラ生存ルートが合理的でない理由

アウラが仲間の二次創作しか見ていないせいでなんだかアウラが仲間の一員だったかのような錯覚を覚えるが、実際はその場で退場している。

仲間が少しづつ増えていく展開で支配可能な魔族という変わり種がくれば読者もそんな幻覚を見るのもおかしな話ではない。

 

フリーレンがアウラを仲間にしなかった理由が大きく2つ挙げられている。

  1. 単純に魔族が憎いから
  2. 魔族とは相容れないことを知っているから

前者は村を焼かれているので仕方ない一方でフリーレンの心持ち次第なのでどうにかならんかったんか?という読者の声も大きい。

後者は作品を通して表れるテーマで、フリーレンらが見逃した魔族がその後その倫理観の違いによって死人が出たことや、契約を結んで共存していたかに見えた魔族が一瞬にして一つの街を滅ぼしたことなどから、実際リスキーであるのは間違いない。

とは言え、アウラは自身の魔法により辛うじて抵抗を見せることができる程度で、その上で行動を縛ればほとんど無害化したと言って良い。なら殺すこともなかったじゃないと読者は主張する。

ここでアウラが仲間になった時の冒険上のメリットとデメリットを比較したい。ただし、ここではアウラに一発芸をさせたり、身の回りの世話をさせたり出来ることは勘定に入れていない。

 

アウラが仲間になった時のメリットとして、アウラによる支配魔法によって、今後現れうる魔族を支配することが可能になる。単純な物量攻撃が可能になるということである。ことが挙げられる。

しかし、ここで但し書きが発生する。

アウラは魔力が殆どない非魔法職の人間を多く支配することで安全に駒を用意していた。フリーレンがそのような戦術を取りようがないことは明らかであるから、必然的に魔族相手が支配対象になる。幾ら魔族が魔力を隠さないとしてもその目測をするのはフリーレンになるし、魔法の出が遅いのでその前に襲われる可能性もある。また、アウラより魔力量が多い魔族には効果がない(どころか、アウラの支配が解かれる恐れもある。)し、おそらくある程度近付かなければ魔法を効かせることも出来ないだろうから、ある程度近くにいる格下の魔族を支配することになる。……フリーレンでよくね?

上記はメリットが幾分か制限されるに過ぎなく、仲間にしない理由にはなり得ない。フリーレンも魔力が格下の相手に敗北したことがある。使い所が少しでもあるならば仲間にしても良いはずである。

 

本題である。

最大のデメリットとして、フリーレンの手がバレてしまうことが今回主張したいところである。

フリーレンは膨大な魔力量とその応用力もさることながら、その本質は魔力制御により、自身の魔力量を少なく見積らせることにやる不意打ちにある。

100年程度の魔力量しかないフリーランがアウラを従えていたらどうであろうか。いくら魔力が少なく見積らせることが頭にない魔族ですら、そのカラクリに気づく可能性は十分にある。

 

この不意打ちが効かなくなることこそがアウラ生存ルートがあり得ない最大の理由なのではないでしょうか。